
イギリスと聞いて一番始めに思いつくイメージってなんでしょうか?紅茶、シェイクスピア、羊の国、パンク、サッカー、、、
でもやっぱ昔からイギリスのイメージで定番なのは「紳士の国」かもしれませんね。でもよく考えると紳士って、何をもって紳士なんでしょう?辞書によれば、「上品で礼儀正しい(ことが期待される)男の人。ジェントルマン」ってあるけど、簡潔すぎてやや抽象的です。
具体的にはどうなのでしょう??
ある日、大雨が降る中、傘を差して家路を急いでいました。朝から降り続いた冷たい雨は道路状況の悪い箇所にいくつも大きな水溜りを作っていました。
そして、後方から音もなく近づいてきた車から、ザッパーン!と見事に水溜りの水を巻き上げられ、汚水まみれになったのでした。たっぷりバケツ2杯分くらい。
センスのない漫画のシーンのようになってしまい、情けなさと頭に来たのとですごくいやな気分を味わいました。
しかもイギリスの愛犬家達は散歩に出ても犬のフンなんて絶対に持ち帰らないから健康な代物がいくらでも道に散在してあって、こんな雨の日にはいい具合に水溜りに溶けていそうで、それがふりかかったかと思うと、無性に腹立たしくなって、無力だと言うことを承知で「ファ○ク オーフ!!!」とその通り過ぎていった車に向かって叫びました。
当然指は人差し指と中指を立てて(これ、イギリスでの挑発のしるしです。ちょうど自分に向けてピースサインをするようなしぐさ。アメリカでの中指を立てるジェスチャーに相当するものです)。汚水まみれではありましたが、腹の虫がちょっとは収まりました。
そしたら、その車、私に気付いたのかすごく道の先で急停止しました。なんかいやな予感がしました。
更に急バックでこっちに向かってくる!
しかもその車ベンツだ!
日本だったらこれ怖い兄さんが4,5人乗っててもおかしくないシチュエーション。
汚水まみれ(フン混じり?)になりながら更にチビりそうな状況。
急バックでこっちに向かってきた車は、
案の定、私のすぐ横で、停車しました。
サイドウインドーが開いた。
40代くらいに見える男が運転席から顔をだす。
口論受けてたちましょう、と構えたとき、
男は「悪かった、本当に」と私に真摯に謝った。
首も垂れた。
拍子抜けしたのと、最悪のシナリオを回避できたことで、妙に安心し、「いいよ、もう」とあっさり相手を許す。男は再び謝った後でサイドウインドーを戻し、進行方向へと去っていった。
車が見えなくなってからも少しの間その場に立ち尽くす。あの男が紳士かどうかはわからなかった。「上品で礼儀正しく非礼があればわびて許しを請う」。
しかしながら、こっちはまだぬれたままだ。もしも紳士なら、謝るだけじゃなく、タオルくらいよこせぃ!!!
(おまけ)
イギリスでは古い建物が多く、デパートなどの人の出入りの多い商業施設であってもほとんどの建物には自動ドアがついていません(未だにエレベーターのないアパートなんて多いです。
あっても動きが超遅かったり、「閉」ボタンがなかったり)。よって、いちいち手でドアを押し開けて中に入っていくのですが、そのとき後の人が続いていたりすると無下にドアから手を離すのではなく、ちょっとドアを開けたまま待ってあげて、次の人が入りやすくしてくれたりします。
これって、イギリスに来た当初、紳士だなーと思いました。日本ではなかなかやりませんので。しかし、イギリスでは紳士と言うほどのものではなく、すでに社会的習慣なのです。