イギリス文化生活

 

イギリス文化生活

イギリスは単なる紳士や羊の国でしょうか? 現代のイギリスで住む人々に焦点を当てたエピソードです。 在英時に発行していたメールマガジン「ロンドンフラッシュ!」からもいくつか抜き出しています。

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消防士がストライキ!?

イギリスで、死傷者がでました。


テロではありません。
サッカーのフーリガンでもありません。


消防士たちがストライキを起こしたからです。


日本では学校の教師や消防士などの特定の職種はストライキが禁止されています。しかし、イギリスではお構いなしにストが発生します。


そして、日本であるように労使交渉の末、実際にはスト開始ギリギリで回避されるなどということは少なく、真正面からストに入ってしまいます!


ストライキの目的はもちろん労働条件の向上(主に賃上げ要求)です。
それが、政府の回答と要求額との隔たりがおおきいことが、実際にストをしてしまう理由です。


消防士のストライキは、24時間ストが、時には48時間ストが実施されていました。その影響はいたるところで出ています。


火事の場合は、消防士の代わりに軍隊が出動することで対処しています。


イギリス軍の兵士は現在20万人いるそうです。


しかし、「にわか消防士」の軍隊の消防活動を本職の消防士と比べるわけにはいかないでしょう。実際、出動時間に時間がかかれば、消火活動も消防士のようにはいかないようです。


さらに、消防士は火事だけでなく、交通事故でも出動することがあるので、そこまで考えれば、被害は大きいです。


そしてさらに、

火事や、交通事故は比較的被害が限定的ですが、イギリスは、アメリカと歩調をあわせていますので、テロリストの標的になった場合が一番怖いです。


すると、ストライキの日はあらかじめ決まっているわけですから、テロをしようと思えば、狙い撃ちできるわけです。ここを指摘するマスコミも多くありました。


実際には、すべての消防士がストに入っているのではなく、数パーセントの消防士は待機していて、非常時に備えています。しかしながら、圧倒的に数が少ない。


なーに考えてるんだ!

もし本当にテロがあったらどうするの?


次から次へと疑問がどんどんわいてきます。


そこで、スト中の消防署に行って、実際に消防士達に話を聞いてみました。

ストライキ中の消防署の前で焚き火をしながら
対応してくれたのは、その消防署の責任者。


たかお 「政府は望み通り賃上げに合意すると思いますか?」

消防士 「難しい問題ですが、そう願っています。私たちも本当はストライキなどしたくないのです。」

たかお 「(目の前のビルを指しながら)もし今このビルから火が出た場合、スト中だから、何もしないで黙ってみているのですか?」

消防士 「人命に関わるような災害なら、スト中ですが出動します。もっとも、私の意見ですが、ここで待機しているほかの消防士も同じ気持ちだと思います」

たかお 「もし、テロ攻撃があって、緊急事態になった場合でもここで待機していますか?」

消防士 「私個人の見解ですが、その場合すぐに消火救出活動に駆けつけます。人命を守るということが私たちの使命です。ここにいるみんなもそのことはよく承知しています。ストライキ中であるとかないとか、賃金が支払われているかどうかは関係ありません」


人命を守るということをキーワードに、消防士であることに加え、人としてどう関わっていくかということが伝わってきました。しかし、裏を返せば、火災があった場合でも人命にかかわらなければ、軍隊の消火活動に任せ、傍観しているということです。


火事や交通事故という非常事態も困りますが、日常生活で不都合なのは、地下鉄が間引き運転になることです。地下鉄で火災があったときに消防の助けがないと危険にさらされるということで一部の運転手がボイコットしているためです。


(おまけ)
今回話を聞きに行ったのは、私のフラットのそばのストライキ中の消防署。
消防署の前に、10人以上のいかつい消防士達がズラーと並んで、焚き火にあたりながらストを行っていて、声をかけるのに少し躊躇したのですが、実際話してみると、すごく気さくで、丁寧に対応していただけました。




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