イギリス文化 現代美術

 

イギリス文化 現代美術

特に1990年代後半からイギリスのアートは盛り上がりを見せています。 イギリスのアートをめぐるエピソードや諸事情をまとめています。

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アート界の実力者は誰だ?

「ArtReview」誌から、「現代アート界で最も影響力のある100人」が紹介されました。日本からは、71位に建築家の安藤忠雄が、35位に不動産会社オーナーの森稔が選出されました。


気になる1位はチャールズサーチ(Charles Saatchi)という人物でした。ロンドンにサーチギャラリーという彼のギャラリーがあるので、彼の名前は聞いたことがあったが、実態はほとんど知りません。知り合いに聞いても、彼はあまりメディアに出ないので、「なぞ」が多いと言いいます。


調べてみると、1件だけ『supercollector』という彼について書かれた本が見つかりました。副題は「a critique of charles saatchi」というもので、この手の本にありがちな賞賛本ではなく、彼が読んだら怒るだろうなという点までバランスよく書いてあります。


読んでみると、私の浅はかな憶測が打ち破られ、愉快ですらあります。


知る前のイメージでは、現代アートのコレクターで、まだ59歳という若さだから、先祖代々とてつもなく裕福で、不労所得で生きているイギリスの典型的上流階級出身だろうというものでした。


しかしながら、そう単純なものではありませんでした。彼は今世論を騒がせているイラクで生まれています。その後、イギリスに渡ってきた移民でした。ユダヤ系で比較的裕福な家庭に育ちますが、不労所得でのほほんと美術収集をしてきたのではありませんでした。


20代で広告会社を弟と共に設立し、そこで成功したアントレプレナーでした。1970、80年代にサッチャー率いる保守党の広告を張ってそれを成功させるなど、その手腕を発揮しました。


彼は、主にコレクターとして知られ、現在コレクションは3000点にも上るようです。アンディウォーホルや、デミアンハーストなどの大御所の作品ももちろんコレクションしていますが、ほとんど知られていないアーティストの作品を自分の眼でみて、良いと判断したら即決で購入しているようです。


しかしながら、買った作品は後生大事に保存するか、公共の美術館に寄付するというような「良質な」コレクターではありませんでした。


気に入らなくなった作品や、高く売れる作品をオークションなどのセカンダリーマーケットに簡単に手放してしまうコレクターでした。比較的頻繁にアートの売買をしているようです。この意味ではコレクターと言うよりもディーラー的、投資家的要素が強いです。よって、一部の作家から不評を買うこともあるようです。


他方では、イギリスの主要な美術大学に奨学金を出すなど、パトロン的要素も持ち合わせています。アートマーケットを牽引しているゆえんです。




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