冬のある日、クリスティーズで戦後および現代アートのオークションが開催されました。
今回、初めて実際に会場に足を運びました。会場はそれほど大きくありません。一般の参加席が100席強、電話での参加者が30人ほどでした。
会場の一般参加席は、ギャラリー関係者や、外見から明らかに上流階級とわかるコレクターに加え、熱心なアート愛好者が散見されました。
前回紹介したプレビューで見た作品が、次々にオークションにかけられていきます。競り値は壁に掲げてあるスクリーンに映し出されます。表示はポンド、ユーロ、ドル、円など。値段が競りあがっていく模様は壮観ですらあります。
本日のオークションは粒ぞろいではあるが、型破りではない作品がメインでした。日本円で500万円から1000万円ほどの価格帯で、ほとんどの作品が落札となりました。
競り落とされるまでをいくつか見ていくと、興味深い点に気づかされました。
会場からのビッディングは意外に少ないのです。ビッドしても落札に至るケースは多くはありません。ほとんどの作品は、電話での参加者が落札していきます。電話で話されている言語は、その時私が把握した限りでは英語、フランス語、イタリア語でした。海外からの参加者も少なからずいるのでしょう。
しかし、ほとんどの電話参加者は英語でコミュニケーションしているようでした。となると、彼らは、主にイギリス、北米、オーストラリアなどのコレクターでしょうか。
後日クリスティーズより発行された資料から、全体の68パーセントがイギリスから、32パーセントがアメリカから落札されたということがわかりました。
大口のコレクターともなれば、その動きは嫌でも注目されるので、いくらロンドン北部に住んでいて、オークション会場に物理的に来ることが容易だったとしても、電話を選ぶのは当然かもしれません。電話でも大物はだいたいわかるものではありますが。